育休明けの転職で一番気になるのって、やっぱり年収ですよね。子ども2人の保育料、増えるばっかりなのに、転職で年収下がるとか言われたら……正直、ほんっとにやめてほしい(苦笑)。

でも実際のところ、どうなんでしょう。育休明けに転職すると年収って下がるものなんでしょうか?採用担当として何百人も見てきた視点と、今まさに双子育児中の当事者視点で、整理してみたいと思うんですよ。

転職全体での年収変化ってどのくらい?

まずは冷静に数字を見ましょう。マイナビやdodaの転職市場調査によると、転職後に年収がアップする人は全体の約45〜50%、そして下がる人も約25〜30%いるんですよね。意外とアップする人、多くないですか?

実際のところ、ワーママが転職して年収が上がった人は45.2%、下がった人は35.7%という調査結果があるんですよ。つまり、下がる人もいるけど、上がる人も結構いるってことなんです。むしろ、慎重に選べば上がる可能性だってあるんですよ。

ただし、転職者全体で見るとが加わると、ちょっと話が変わってくるんですよ。

育休明けで年収が「下がりやすい」パターン

採用担当の目線で見ると、育休明けの転職で年収が下がる人には、いくつか共通パターンがあるんです。

1. 時短勤務を条件に転職する場合

時短で働きたいって条件が最初から出ると、企業側も「全力投球できない人」という評価になってしまう。だから、同じ職種でも、時短じゃない人より給与テーブルが低くなるんですよ。これは……仕方ない部分もあるんですが、悔しいですよね。

2. 業種や職種をガラッと変える場合

育休中に「新しい道に進みたい」って気持ちになることもあると思います。でも、転職ってただでさえ前の経験が活かせないと給与が下がるもの。それプラス時短という条件が加わると……年収は大きく下がる傾向にあります。

3. 正社員から契約社員・派遣に変わる場合

子育てと両立させやすいからって、契約社員や派遣を選ぶ人もいますよね。その場合は、もう、ほぼ確実に年収は下がります。福利厚生もそうだし、昇給の仕組みもないですから。

年収が「下がらない」「むしろ上がる」パターン

じゃあ、どういう人たちは年収を守れてるんでしょう。採用担当として評価が高い層を見ると、やっぱりパターンがあるんですよ。

30代で専門性やスキルが高い人

「この人の経験、うちの会社に必要だ」という人材は、時短だろうが、育休中だろうが、給与は下げられません。むしろ、引っ張り手が多いので、年収交渉で有利に立てる。年齢が高いからこそ、スキルの差が年収に直結するんですよ。

管理職候補として評価されている人

採用担当視点で「この人、課長候補だな」と思う人材には、企業も投資するんです。子育て中だからこそ、「多様な働き方の実例」として管理職を目指してもらいたい、という企業もあります。その場合は、年収は守られやすい。

企業が急いで採用したい職種の場合

エンジニア不足とか、営業が足りないとか、企業が困ってる部分があると、条件は譲歩されやすいんですよ。時短だからって大幅に下げたら、誰も来ないし、来た人も早期離職しちゃう。だから、むしろ適正給与をオファーされることもあります。

📊 年収下がるパターン vs 下がらないパターンの比較表

実際の転職事例を基に、どういう条件で年収が下がり、下がらないかをまとめました。

シナリオ 前職年収 転職後の条件 転職後年収(見込み) 採用側の評価 ワーママの実感
A:同職種・時短なし 450万円 同じ職種、フルタイム 450~480万円 ◎ スキルが活かせる。育児の話なし。 育児が両立できるか不安
B:同職種・時短あり 450万円 同じ職種、時短8割 360~400万円 △ スキルはあるが、時間制約がある 保育料と相殺され、手取りで困る可能性
C:職種変更・フルタイム 450万円 未経験職種、フルタイム 380~420万円 △ スキルが活かせない。育児の話なし。 新スキルに自信があれば可能だが、年収は下がる
D:職種変更・時短 450万円 未経験職種、時短7割 280~350万円 × スキル未熟+時短。最も下がりやすい 家計に大きな負担。育児とのバランスは取れる
E:高度な専門性・時短 520万円 専門性活かし、時短8割 440~480万円 ◎ 専門性が高い。時短でも欠かせない人材 年収は守られ、育児も両立できる。理想的。
F:管理職候補・時短 480万円 管理職候補、時短8割 450~500万円 ◎ 多様な働き方の実例。昇進の可能性あり 育児と昇進の両立に挑戦できる
G:派遣社員・時短 450万円 派遣社員、時短 240~300万円 △ 柔軟性はあるが、昇給なし 育児の融通は利くが、長期的には困難

💡 具体的な年収シミュレーション:手取りベースで考える

名目年収だけでなく、手取り額で考えることが重要です。以下は、双子育児の実際のシミュレーションです。

前職450万円 → 転職時の比較(東京・配偶者あり・子2人の場合)

■ パターン①:フルタイム450万円のまま
手取り年収:約345万円 / 月額約28.7万円
保育料:18万円 / 月
手元に残る金額:約10.7万円(往復交通費等控除後)
評価:育児との両立が難しいが、経済的には安定

■ パターン②:時短8割400万円
手取り年収:約305万円 / 月額約25.4万円
保育料:18万円 / 月
手元に残る金額:約7.4万円
評価:生活は厳しいが、育児時間が確保できる

■ パターン③:同じく時短だが、年収を守って420万円
手取り年収:約320万円 / 月額約26.7万円
保育料:18万円 / 月
手元に残る金額:約8.7万円
評価:交渉で+20万円確保できれば、手元+1.3万円 / 月(年15万円増)

■ 採用側の視点
採用側からすると「時短で働く人に、フルタイム相当の給与を払うことは難しい」という考え。しかし「その人の専門性や市場価値」が高ければ、時短でも年収を守られることはあります。

💴 「収入を守る」だけでなく「支出を見直す」発想も

年収交渉に注力するのも大事なんですが、私が育休中に意識したのは「年収アップだけが家計改善じゃない」という視点でした。リベ大の両学長の本(『本当の自由を手に入れる お金の大学』)を読んでから、家計を見るときに「貯める力(固定費見直し)・稼ぐ力(収入アップ)・増やす力(投資)・守る力(保険・税金)・使う力(賢い支出)」の5方向で考えるようになったんです。

たとえば年収が30万円下がるオファーを受けたとして、「30万円稼ぎを取り戻す」だけが選択肢じゃない。固定費を見直して通信費・保険・電力契約を整理すれば、年間で15〜20万円浮くケースは普通にあります。残りの10〜15万円を年収交渉で取り戻せれば、結果的に「年収ダウンしてるのに手取り変わらず、しかも時短で働ける」という状況も成立します。

私自身、育休中に格安SIM切り替え(月7,000円→月2,500円で年5.4万円減)と、不要な医療保険の解約(月8,000円減で年9.6万円減)で、年間15万円の固定費を削れました。これだけで「年収15万円ダウンの転職オファー」が「実質ゼロ」になります。年収交渉の交渉力が弱いワーママほど、支出側から削るアプローチが効きます。

📌 育休中にやっておくと効く、固定費見直し3項目
▶ 通信費(格安SIM/光回線の見直し):年5〜10万円の削減幅
▶ 保険(医療・生命保険の重複整理):年5〜15万円の削減幅
▶ サブスク(使ってない動画・音楽サービス整理):年1〜3万円の削減幅
この3つを育休中の隙間時間で着手しておくと、復職後の家計の余裕度が一段違ってきます。

採用担当として見た「年収交渉をしてくる候補者」の印象

ここからは、ちょっと本音を言いますね。

採用担当をやってて、「いや、年収もう少し上げてもらえませんか」って言ってくる候補者、実はすごく少ないんですよ。特に女性で、子育て中の人となると、本当に少ない。逆に「これで大丈夫です」「申し訳ありません」みたいな感じで、低めの提示をそのまま受け入れちゃう人が多い。

でも、採用担当からすると、その反応って「この人、自分の価値をわかってないのかな」って思っちゃうんですよ。いや、失礼かもしれませんけど。本当のところ。

年収交渉をしてくる人は、「自分の市場価値を理解している」というシグナルなんです。それに、企業側も「交渉できる余地」を見越してオファーを出してるんですよ。だから、遠回しにでも「この条件で……」って打診してくるのは、むしろ適切な判断だったりするんです。

時短でも年収を落とさない「交渉のポイント」

それでは、実際に育休明けで転職するときに、年収を守るために何ができるのか。採用担当視点でのアドバイスです。

ポイント1:最初から「時短前提」で応募しない

というか、転職活動中は時短の話をあえて出さない。面接で「会社の制度について教えてください」くらいに留める。そして、内定後の交渉時点で、初めて「実は、育休中で……こういった働き方で継続したいんですが」と切り出すんです。すると、内定が決まってるから、調整する余地が出てくる。

ポイント2:前職の年収を「参考」に、市場価値で勝負する

「前職で○○万円でした」って言うと、そこを基準に採用側は考えちゃうんですよ。でも、実際にはあなたの市場価値はそこじゃないかもしれない。「この職務経歴、スキルセットだと、一般的な相場はいくらですか」って、エージェント経由で聞いてもらうのが得策です。

ポイント3:時短だからこそ「効率」をアピール

時短=低い給与、という固定観念を払拭するには、「短い時間で最大の成果を出す」というストーリーが必要なんですよ。前職での実績、数字化できることを全部出す。「子育てで時間は限られるけど、その分、生産性は高い」という印象を持たせるんです。

ポイント4:複数社から内定を取る

やっぱり、複数の選択肢があると、企業側も「逃げられたら困る」って心理になるんですよ。だから、年収交渉の余地が出てくる。「実は別の会社からも内定をもらってるんですが……」なんて言わなくても、自信を持って交渉できるんです。

正直なところ、年収は欲しい(笑)

え、いきなり話が変わっちゃった感じですけど。ここまで「採用担当視点」で書いてきましたが、今の私は当事者でもあるんですよね。

双子の保育料って、いくらだと思います?今、月額18万円ですよ。18万円。光熱費よりも高い。ここに学用品、オムツ、ミルク……。子ども2人のために、年収下げたくないんですよ、本当に。

だから、育休明けの転職で「年収下げられて当たり前」みたいな風潮、私は好きじゃないんです。時短だからって、全力投球する年収で計算するなよ、って思う。むしろ、子育てしながら働く親だからこそ、チーム全体での生産性って上がるんじゃないのか、ぐらいの気持ちで、採用側にもいてほしいなあ。

採用担当時代の私自身も、そういう視点を持ってたかというと……ごめんなさい、完全に持ってませんでした(苦笑)。でも今は違う。だから、転職を考えているワーママたちには、「年収下げるのが当たり前」って思わないでほしいんですよ。

下げられるなら、下げない工夫をしよう

最後に、整理をしておきます。

転職で年収が下がるかどうかは、その後の育児費用に直結するんですよ。大変な思いをして育休から仕事に戻るのに、年収が下がったら、モチベーション保つの難しくなる。だから、慎重に進めるべき。

年収が下がりやすいパターンに自分が当てはまっているなら、工夫が必要です。スキルを磨く、複数社から内定をもらう、細かいところで「年収が下がらない理由」を作っておく。そういう準備が大事なんですよ。

そして、採用担当側も、でした。子育て中の候補者だからこそ、「効率的に、質高く働く」人材の可能性がある。そこを見抜ける目利きを持ちたいもんだな、と今は思ってます。私も当事者になってみて、初めてわかることってありますね。

📌 育休明けの転職を本気で考えるなら

リクルートエージェント:年収交渉に強い。ワーママの転職実績も豊富なので、「時短でも年収を守ったケース」を事例として教えてくれます。

doda:面接対策やスキルの市場価値を客観的に教えてくれるので、年収交渉の根拠を固めるのに役立ちます。