転職活動を始めると、必ず直面する質問が「エージェントは何社使った方がいいですか?」。私も復職を控えて今まさにその判断をしているところで、双子の世話をしながら情報収集するには1社では間に合わない。だから複数登録することになるのですが、ここが意外と複雑です。

採用担当として何百人もの候補者を見てきた立場と、実際に使う側になった育休中ママの両視点から、今日は「複数エージェント運用の正解」を整理します。

1. 転職者の73%が2社以上を併用している現実

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まずデータから。リクナビNEXTが実施した調査によると、転職活動中の人の73.4%が2社以上の転職エージェントを併用しています。複数登録は今や当たり前。

一方で「4社以上利用している人」は13.5%程度にとどまり、多数派は「2〜3社」を目安に使っているのが実態です。

なぜここまで複数社を使うのか。理由はシンプルで、エージェントごとに保有求人が違うから。リクルートエージェントが持っていない案件をdodaが持っていることも、その逆もあります。コンサルタントの質も担当者ごとに差が大きいため、複数社を比較しながら進めた方が失敗リスクは下がります。

2. 推奨は2〜3社、4社以上は管理破綻する

では複数社を使うとして「何社が限界か」。採用側にいた時代に何百人も見てきた経験から言うと、最適なのは2社、多くて3社です。

理由は管理コスト。4社以上になると各エージェントとのやり取りが増え、メール返信漏れ・面接日程重複・連絡ミスが起きやすくなります。さらに、同じ企業に複数エージェントから応募してしまう「重複応募リスク」も急上昇します。

育休中に双子の世話をしながら転職活動を進めていると、本当に脳のメモリが足りなくなります。だから2社でしっかり運用するか、3社使うなら「どの企業に、どのエージェントで応募したか」をスプレッドシートで管理することが必須です。

📊 採用担当の目線:「3社で頭がパンクしている候補者」と「2社をきっちり運用している候補者」では、レスポンスの速さも書類の精度も明らかに差が出ます。数より管理の質。

3. 最大の落とし穴:同一企業への重複応募

ここが複数エージェント利用で最大の注意点。同じ企業に複数エージェントから応募してしまうケースです。

何が起きるのか。企業の採用担当に「この人、エージェントAからもBからも来ているな」と即座にバレます。応募者管理システム(ATS)で重複が検出されるためです。すると企業側は「どちらのエージェント経由で対応するのか」で混乱し、面接日程調整・連絡窓口・成果報酬の帰属で社内調整が必要になります。

採用担当としての本音を率直に言うと、重複応募が来ると「この候補者はエージェント管理ができていない=転職活動全体が雑かもしれない」という第一印象になります。不公正に思えるかもしれませんが、第一印象は採用判断に影響します。

特に一次面接後に別エージェント経由でも応募が来ると、社内では「なぜ二重応募?」と議論になり、最悪の場合選考から外されることも実際にあります。

4. 採用担当が見てきた重複応募の実態

採用担当時代、重複応募はどのくらい発生していたか。体感では月に数件レベルでありました。特に大手企業の求人ほど複数エージェントが同じ案件を扱うので、うっかり重複応募する人が多くなります。

典型例はこうです。リクルートエージェントで「テレワーク営業/大手企業」の案件を紹介され応募。同時に、dodaのコンサルタントから類似条件の求人を紹介され、よく見ると同じ企業。それぞれが別個に進行し、企業側で重複が発覚する——というパターン。

企業側はATS(応募者管理システム)で重複を即座に検出できます。応募者の氏名・経歴・連絡先で名寄せされる仕組みです。

その後の対応は企業によって分かれます。「エージェント側で調整させよう」と両社に連絡する企業もあれば、「重複応募は信用度が下がるから見送り」と即決する企業もあります。後者の判断をする企業は少数派ではありません。

だから複数エージェントを使うなら、応募前に「この企業はどのエージェント経由で進めるか」を必ず決めておく。これが鉄則です。

5. 重複応募を防ぐ役割分担のコツ

では実際にどう防ぐか。一番シンプルなのは「エージェントごとに役割を分ける」方法です。

育休中に転職活動を進めている私の場合、こんな分け方をしています:

エージェント 担当領域
リクルートエージェント 大手企業/テレワーク可/給与重視の求人
doda 中堅・ベンチャー/女性活躍企業/働き方重視の求人

こうすれば「この求人はリクルートにしかない/dodaにしかない」という判断がしやすくなります。

どうしても同じ企業が両方のエージェントに掲載されている場合は、応募前にどちらを使うか先に決めて、もう片方では応募しない。スプレッドシートで「企業名|職種|応募エージェント|応募日」のシンプルな表を1枚作っておくだけで、うっかり重複は防げます。

6. リクルート×doda 複数使いの3つのメリット

もう一つのポイントは「複数エージェントを使うメリット」。リクルートとdodaを並行で使うと、具体的に3つの効果が得られます。

① 求人ラインナップが2倍になる
リクルートエージェントは公開求人約75万件(2026年4月時点)と国内最大級。dodaは約25万件で、求人サイトとエージェントの一体型。両方で完全に被るのは一部の大手案件のみで、大半は片方にしかない求人です。

② 担当者の相性リスクをヘッジできる
エージェントの体験は担当者の質で大きく変わります。1社だけだと外れ担当を引いた瞬間に転職活動が停滞しますが、2社あれば常にバックアップが効きます。

③ 業界・キャリア観点の比較ができる
リクルートは総合型で広い視野、dodaは業界専門コンサルタントが多く深いアドバイスが特徴。同じ案件についても評価軸が違うので、判断材料が増えます。

個人的にはこの2社の組み合わせが「数×質」で最もバランスがよく、復職・転職を迷っている育休中の今もこの構成で進めています。

7. メイン1社・サブ1社で迷いを減らす

複数エージェントを並行で使うと、地味なストレスが一つあります。それが「どのエージェントに、どの相談をすればいいのか」問題です。

例えば給与交渉について相談したいとき、リクルートとdodaの両方に同じ相談をすると意見が分かれることがあり、判断が逆に難しくなります。さらに「複数に相談している」と察知された場合、優先度を下げられるリスクもゼロではありません。

採用担当の立場では、エージェント間で候補者情報を共有することはありません。ただ、候補者側から「別のエージェントでも相談中」と漏れ伝わると、選考プロセスが複雑になることはあります。

解決策はシンプルで、「メイン1社・サブ1社」と役割を決めることです。重要な相談・給与交渉・面接対策はメインのエージェントに集約し、サブは「求人ラインナップを補完する役割」と割り切る。これだけで判断のブレと精神的負荷が大きく減ります。

8. 育休中ママが2社運用で守るべき3つのルール

育休中に双子の世話をしながら複数エージェントとやり取りするのは、想像以上に大変です。だからこそ、事前に守るべきルールを決めておくと格段にラクになります。

ルール①:面接予定は1日1件まで
赤ちゃんは予測不可能なタイミングで泣きます。発熱・授乳・お昼寝のリズム崩れは日常茶飯事。1日に2件入れると、片方がズレた瞬間に両方が崩壊します。

ルール②:メール返信は24時間以内
レスの遅さはエージェントからの優先度低下に直結します。毎朝・毎晩の決まった時間に必ずチェックする習慣を作る。スマホ通知をオンにして、隙間時間に既読返信だけでも返しておくと印象がまったく変わります。

ルール③:応募管理シートを必ず1枚作る
スプレッドシート1枚でOK。「企業名|職種|応募エージェント|選考フェーズ|次回アクション期限」の5列だけあれば十分です。これで重複応募もリマインド漏れも防げます。

育休中のワーママ転職は綱渡りに見えて、ルール3つで安定走行に変えられます。複数エージェントを正しく運用できるかどうかが、成功の鍵です。